一日のほとんどが労働時間に消えていく。この土日は休みだったが、結局はべつの労働に消えていく。誰かがお金をくれたり、掃除をしてくれたり、食事を作ってくれたりするわけではない。誰かが朝起こしてくれるわけではない。誰かが「お風呂入っておいで?」とか「歯磨いた?」とか「早く寝な?」とか「寒くない?」とか言ってくれるわけではない。しっかりしろ。朝起きて、昼働いて、夜寝るんだ。しっかりしろ。しっかりするのだ。
雨が降っている。水たまりにポツポツ落ちて波紋を起こしている。『オッペンハイマー』のラストシーンを思い出す。この物理的な運動(ないしビジュアル)を映画のテーマに結びつけたそのセンスがすごい。見事に現実を再編集している。水たまりをうつ雨の波紋は、そう見なければそう見えることはなかった。ただの「物理の運動」が映画のテーマとまた映画的な比喩表現ともつながり、そのせいで見終わったあともずっと映画がつづいている。
一日のほとんどが労働時間に消えていく。
しっかりしろ。しっかりするのだ。
深呼吸をして、とりあえず働くのだ。