250126ありがとう②

小芋、にんじん、玉ねぎ、しらたき、豚肉、れんこん、を茹で、しょうゆと酒とみりんと砂糖で味をつけ、にくじゃがを作り、食べる。

部屋の掃除をし、洗濯をし、植物に水をやる。

少し寝る。

少し本読む。

夕方頃にニンジャさんが私のアパートに遊びに来てくれる。二人でコーヒーを飲む。「ラジオ体操をしっかりする女性ってなんか良い」という話をして盛り上がる。それから「踊ることが大事だ。身体だけでなく心も裸になり、人間として踊ることが大事だ」という話をして盛り上がる。それからニンジャさんにゲーム・オブ・スローンズ第1章のDVDボックスを貸す。

やがてニンジャさんの運転で街を離れる。西区の、日が沈んだほうへ、夜のバイパスを、車でブーンと行く。

ニンジャさんがかねてより気になっていたという奇妙な一軒家の食堂へ行く。近くまで来たが、看板などがないのか、どうにも発見できない。近くのセブンイレブンに車を停めて、徒歩で探すことになった。

Googleマップを頼りに細い路地に入り、線路沿いの住宅街の暗闇のなかを歩き、頭上は晴れており、星空である。澄んだ空気があり、鼻から吸い込むと冷たくて涼しくて美味しい。

「西区の路地裏は美しいですね」

とわれわれは言い、建屋の土留めや塀の多くが昨年の地震でひび割れていたり傾いていたりしているのを目にし、

「西区は地震の被害が一番ひどかったらしいですね。液状化で地盤が沈下したんですよね。公費解体で解体業者は大忙しらしいですね」

と私が言うと、ニンジャさんも同意した。

路地裏をぐるっと回って、また表通りに出てきてしまった。この近くにあるはずなのだが、目印もなく、どうにも辿り着けない。T字路を通り過ぎ、更地を通り過ぎ、セブンイレブンのあたりをうろうろする。ニンジャさんが店のホームページ?に載っているという手書きの地図を見せてくれたが、落書きのような地図があるばかりで、まるで詳細な情報もなく「笹川ビル」という建物の脇道を入ったところに店があるらしいのだが、ビルらしきものも見当たらず、そのとき私ははっとして、「そうか! 公費解体だ!」と言い、先ほど通り過ぎた更地までもどり、砂地だけになった空き地を指して、「ここだ! ここが笹川ビルだったんだ!」と言うと、真っ暗な脇道を入っていき、するとその店、というか一軒家があった。

ちょっともう出かけなくてはならないから書くのをやめるが、まあ色々あって楽しかった。ご飯も美味しかったし、そこにいた人たちも奇妙な人たちで面白かった。世の中のどこかに、やはり変で面白い人たちというのは、いるものだ。ニンジャさん、ありがとう。皆、ありがとう。職を探さなくては。だが今日ではない。私は困るときに困る。しかしそれは今日ではない。今日は図書館へ行く。そして本を読む。